萬☆画久子

あらすじなしの感想文

私は生血が欲しい‥川島のりかず

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ページを開いた瞬間から…


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→わかりかねます!

 

あまりにも難解すぎて

なかなかついていけないww

 

 

内容は

「恐ろしい村で顔をとられた少女」をハイレベルにした感じというか。

 

異次元空間に迷い込んで…

そこでも違う形での洗脳があって…

 

結構、混同してしまう(笑)

 

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のりかずちゃまったら、ゴキゲンねww

 

 

異次元世界で流行ってた奇病が

主人公たちが

異次元世界から普通の世界に戻ってから発症するという。

 

異次元世界では

ヘビや人間の血を飲めば治るという迷信が。
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これが親子の血というものなのか…。

 

知らず知らずの親の教えのせいでか

《迷信を信じられない体質》

結果的に主人公を苦しめることになるんだけど


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おどろおどろしすぎるww


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やはり、やばい漫画だ(笑)

 

 

川島のりかずはホラー漫画の表現を飛び越えて

もはや《一種のアート》の領域に…


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なぜわたしの命令に従わないの


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わたしはわたし!

あなたには支配されないわ

 

「頭(脳)」と「心」との歪みというか。

 

頭で考えてることと

心で思っていることの食い違いというか。

 

頭ではわかっていても

心はそう簡単に従えないように。

 

川島のりかずは

世間のしあわせの価値観と

自分のしあわせの価値観とで思い悩んでたんだろうな…。

 

それを視覚的に

《ホラー漫画》として表現した作品なんだと思う。


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もう一人のわたし!?

 

パワーワードw

 

 

わたしはこの作品は

彼の《漫画家としての遺書》だと思ってる。

 

彼のラスト作品は

中学生殺人事件だけど。

あれは現実に起こった事件をもとに書いている(らしい…読んだことないので)。

 

実質、完全に彼のオリジナル作品としては

これが最後の作品になるのかな?


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わたしは自由になったわ

心からも体からも…

 

自由になる…

つまり解放されるには

肉体から離れないといけないという真理。

 

 

消息不明の川島のりかず先生。

 

彼はこの世にいらっしゃるとは思うけど。

 

この作品で

彼は《漫画家としての死》を告げたんだと思う。

 

正直、氏の描きたかったと思われる

こういった一連の作品は

一般受けしないので商業としては失敗の部類に入る。

 

だからといって

お金のために自分を殺して

売れ線の作品を描くことも

彼にはできなかったんだと思う。

 

漫画を描き続けたいけど

描き続けるには自分を殺した作風にしないといけない。

自分の描きたい漫画は売れないから

描き続けられない。

 

その世間の価値観(売れ線)と

自分らしさ(発狂漫画)との葛藤でずっと苦しんでたんだと思う。

 

だからこそ

こういった漫画ができあがったんだろうね。

 

本当にこんなに素晴らしい作品たちを

身を削って世に送り出した彼に

私はお礼を言いたい。

 

「ありがとう」

 

 

 

母さんが抱いた生首‥川島のりかず

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その日、

彼女はいつもとは違う帰り道を歩いた


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それが彼女の運命を大きく変えた

 

 

これはとても悲しいお話ですね。

 

結構、緻密なストーリー構成なのに

なんか随所に雑というか

納得ができない部分がちりばめられていて

もやもや感も凄まじい(笑)

 


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最初の目撃シーンも

なかなかすごいww

 

その後も小学生(ランドセル背負ってるから小学生だよね!?)には

ヘビーすぎるシーンが盛りだくさんで

 

彼女の場合、せめて《逆》だったらよかったのに…とも思ってしまう。

 

どのみち体が動かなくても

聞ける見れるけど喋れない。ではなく。

聞けない見えないけど喋れる。方が…。

 

まだ救われたかもしれない…。

 

 

あの時、死ねばよかったんだわ…

神様ってホントは居ないのね

今まで信じてたのに…


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あんな奴が

のうのうと生きてるなんて…

 

本当にすごい漫画(笑)

 

 

体が動かない、喋れない日々で

犯人を憎むパワーも失っていき…


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過去に逃げ込む

 

TTTTTTTTTTTT

 

川島のりかずってなんで

こんなに細かい心理描写が上手いんだろう。

 

そういう部分では

昭和のいわゆるおとめちっく漫画以上の繊細さがあるよね。


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彼女の心の奥では

死を望んでいるんですよ

 

彼女にはもう何も望むことがないんです

生きる張り合いがないんです
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生きる望みを見つけてやることです

 

→他人事だからって簡単に言うのが、医者ってもんね(笑)

 

体が動かない、喋れない。

そんな中でどうやって《生きる望み》に出会えると??

 

その後で父親も死んでしまうし。

 

 

そんな中で

一人の男性が現れるんだけど
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《人生は不条理よ》

 

すごいシーン&セリフ(笑)

 

その男が

自分のお母さんと契りを交わすなんて…泣
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「チッ オバン

もったいぶるんじゃねぇ」

 

ひでぇ漫画www

 

もっとひでぇのが

そんな自分の母親と見ず知らずの男とのラブシーンを…

主人公が目撃してしまう所だねw
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「死後の世界って…あるのかしら…」

 

なんなのwwこの漫画www

 

母が、女として生きる喜びが芽生える中、

反比例して娘は生きる気力を失くしていくという

他の漫画にはない酷すぎる対比!

 

 

しかも、その男は

主人公をこんな体にしたあの殺人犯だと知って…
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あいつがこの家にいるかぎり

わたしは死ねないわ

 

まさかのここにきて

《生きる望み》のご登場!!

 

犯人が家に現れたことによって

主人公のアヤは生きる力が湧いてきたのです!

 

しかし、皮肉にも

犯人は自分のお母さんが愛してる男…

 

アヤは母親に

その男が殺人犯であり自分をこんな体にしたことを

必死で伝えるんだけどね…。。

 

 

母親は迷った…

女で生きるべきか

それとも

母親として

一生、アヤの面倒をみるか…
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おぉ…キ⚪︎ガイの顔だ…(笑)

 

結局、母は「女として」生きる選択をしてしまい…

 

アヤは…
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殺されかける!

 

 

すったもんだあって
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母さんが抱いた生首!

タイトル通りの展開にwwww

 

しかし、あんなに色々あったのに

「男は母親にすべてをしゃべった」という文字だけで端折る

雑さ加減に圧巻!

 


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「そうだったの」ってww

 


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母親よりアヤの方が

気が触れてもおかしくないと思うんだが…。。

 

とにかく、スピード感もあってか

グイグイと引き込まれるすごい漫画なので

死ぬまでに1回は読んだ方がよいかとは思います。

 

死人をあやつる魔少女‥川島のりかず

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今も少女時代のわたしなら…

もっと楽しい生活を送れたのに

どうしてこうなっちゃったの…


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しかし、

この先 わたしはどうなるのかしら?

 

 

正直に言うと

個人的に本作が彼の最高傑作だと思ってる。

(中学生殺人事件だけは読んだことありませんが)

 

フランケンシュタインの男」よりも先に

この「死人をあやつる魔少女」を読んでしまったせいなのか。。

世間では最高傑作とされてるフランケンが霞んでしまった(笑)

 

それぐらい

この漫画の破壊力は凄まじいと思う。

 

 

冒頭から凄まじすぎる…pq
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ヤバ過ぎる、この漫画ww

 

そして、のりかずらしい
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口の悪さww

 

そしてまさかの…
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急所潰しwwww

のりかずちゃん、ご乱心過ぎてww

 

本当に色々すごいんだわ、この漫画ww

 

 

そうだわ

わたしは選ばれた人間なんだ


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きっとそうだわ

 

わたしの力は超能力なんてものじゃないわ

全能の力を手に入れたんだわ…

 

やっぱり空も飛べる
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ハハハ

 

からの〜


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カウンセリング!!!!!

 

この少女時代の回想シーンが

病院のカウンセリングで話してた内容だとは

誰が予想できたでしょう!?

 

 

弟のお迎えというのもなかなかリアル。

目を合わせようとしない弟も表情もすごいリアル…
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彼女自身が完全に妄想の中にいるのであれば

彼女は「自分は正常」と思えるから病院なんて通わない。

 

弟がさりげなく病院に行かせてるんだろうな…。。

 

 

この漫画。

よく「タイトルが意味不明」とか

「ぜんぜん死人をあやつってない」とか言われるけど。

 

よく考えて理解すれば

このタイトルのつけ方こそ

この漫画の一番の恐ろしさを決定的にしていると思う。

 

「死人」=「この世に居ない存在」

 

そう。

彼女が操ったり、生き返らせたりした人間は

そもそもこの世に実在しない。

 

彼女の妄想の中だけで存在する人物たち。

 

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実際、今のシーンになると

弟と医者しか出てこないじゃんww

 

生き返らさせたはずの友達も

振り返った瞬間、消えてる。

 

生き返らせたはずの両親も…。

病院の迎えにくるのは弟だけ。

 

両親はきっともっと早い段階で失っていて

不安定な幼少期を送って

変な妄想する癖がついちゃったんだろうな…。

 

 

フランケンシュタインの男の場合。

《喪失感》から《フランケン》という存在が生まれるんだけど。

 

このミルモの場合。

なにが起きた時に《妄想》が生まれるのか…。

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《未来への不安》を感じたときに

ミルモは妄想に逃げちゃうんだと思う。

 

目の前の不安を解決する力がないから、

妄想で逃避しちゃうんだと思う。

 

それが、現実と妄想の区別がつかないほどに。
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ミルモの場合、

亭主がいなくなった喪失感。というより

亭主がいなくなったあとのこれからの生活の不安感。

に耐えられなくなって、

妄想という蓋が開いてしまったんだと思う。

 

 

 

そういう視点で読むと

本当にすごい内容の本。

 

…にしても《ミルモ》というネーミングは

「見るも無残な…」という言葉からきてる気がする。

 

この漫画は5万円くらい値が付いてもいいと思う。

フランケンシュタインの倍以上の衝撃度がある。

 

とにかく、個人的には

一番最後に入手していただきたい作品です!

 

フランケンシュタインの男‥川島のりかず

 

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いったい

僕はどこへいっちまったんだ

 

今の僕は

ぬけがらみたいだ

 

あの充実した僕は

どこにいるんだ…


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早く見つけなくちゃ

ぼくは滅んでしまう

 

 

氏の最高傑作とされている本書。

(おそらく)次作の「死人をあやつる魔少女」といい

この時期の川島のりかずは自身も

《喪失から生まれる虚無感》と戦っていたのかな…。

 

「抜け殻」というキーワードが

やたらと引っかかる。

 

 

彼女は体が弱いため

スポイルされて育ったのです

 

だから

ごうまんでわがままな少女でした

 

そのうえ

心も体も病んでいました

 

でも、そこが…
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ぼくをひきつける魅力でもあったんです。

 

この漫画のすごく巧いなーと思う所は。

 

主人公は「単に傲慢でわがままな女性が好き」なのではなく。

「傲慢でわがままで“自分(主人公)を導いてくれる”女性」じゃないとダメなんだよね。

 

リードしてくれるというか。

 

 

現にわがままで傲慢なだけな嫁とは

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うまくいってない(笑)

 

基本、傲慢でわがままな女性は

自分本位だから

この嫁のように“相手を放置”するけど。

 

綺理子も女社長も

わがままだけど「主人公を導いて」くれている。

 

にしても…
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嫁とうまくいってなさ過ぎて…ww

 

 

主人公は《弟ができたこと》で

母親の愛を受けられなくなって

《家庭内の居場所》を失った。

 

彼にとって初めての《喪失体験》だったのでは?

 

このように綺理子も…

母という存在を失ってる。
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(しかし、ひどい言われ様w)

 

この二人が一瞬でも

こんなに仲良くなれたのは

《共通の喪失体験》があったからだと思う。

 

こんな話の流れから…
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唐突のフランケンシュタイン様のご登場ww

 

家庭でも弟に愛を奪われ、

学校でもいじめられ。

 

そんな中で綺理子が与えてくれた

フランケンシュタイン》という居場所。


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彼は《フランケンシュタインになること》で

自分の居場所を見つけられたんだろうね。

 

自分ではなく

仮の姿(フランケンシュタイン)になることによって

「自分らしく」いられる。

 

この矛盾をはらんだ歪みこそ

発狂の美学に繋がるんだろうね。

 

…頭がおかしくなったんじゃないのかい?

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そうかもしれない

いや、狂気の方が救われるさ。

 

誰も語らないけど、

この台詞、かなり破壊力あると思うのですが…。。

 

 

主人公はそんな幼少体験によって

《喪失感》を乗り越える方法が

フランケンシュタインになること》しかないから

 

なにかを喪失すると

それを埋めようと《フランケン》が現れる。

 

お前はオレになるんだ


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だから死ね

 

すげえ漫画だwww

 

 

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大人になっても

古い井戸(幼少期に得たフランケンになるという逃避)から

出れないままの主人公は

 

結局、精神世界へ旅立ってしまった。。

 

 

「見なければ

いつまでも解決しませんよ」

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皮肉にも彼の場合は

幼少期と向き合ったことで

《フランケンごっこ》を思い出してしまい

解決どころか

深い闇に落っこちてしまったという(笑)

 

これが精神科医という存在の真実かもしれませんね。

 

過去を見ない方が…

過去を思い出さなかった方が…

社会では生きていけたかもしれないのに…

 

「今」や「これから」に目線をやらないで

過去(=心の中の自分)に目線をやったばかりに…

 

しかし、

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これが本当のぼくなんだ

やっと取り戻すことができたぞ

 

主人公自身は

本当の自分になれたんだから…

ハッピーなのかな!?

 

本当に色々考えさせられる漫画。

 

こんな闇深き心理ベースの作品なのに

随所に現れるこのハイテンション感が

化学反応を起こして

最高傑作とされるのでしょうね。
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のりかずのひょうきんさが伺えて微笑ましい。

 

 

過去の映像になると

適度な心地よいノスタルジー感もあったり…

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この甘美なかおりも

どこか郷愁をさそい

より作品に深みをあたえているのでしょうね。。


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扉絵の破壊力もまた素晴らしい。

化物家族‥川島のりかず

 

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死ぬのは

いつでもできるわ


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いいか

いずれはこの姿が世間に知れる

 

そうなった時、

世間が私たちの姿を見て

何をすると思う…?

 

…川島のりかずは

なにか世間に対して後ろめたいことを抱えていたのだろうか?

 

後期の彼の作品は

自分と世間との葛藤で発狂パターンが多すぎる…pq

 

 

彼の作品に共通する特徴的な表現パターン↓
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街並み→複数の住宅→一軒家→主人公。という見せ方をする。

 

「あなたの隣の発狂」というか。

あなたのすぐ近くの“家の中”で発狂が起きるんですよ的な。

 

川島のりかずは

よその家を見ながら

“みんな、どういう生活をしてるんだろ…”と

考えるような人だったんだろうな。。

 

 

朝から
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なかなかヘビーな会話ww

 

 

主人公の春花は

どんどん化物化していき、、

 

初期症状(まだ人間の形がしている)ときは

家族も“同情”してくれてるんだけど…


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しだいに

心の余裕がなくなっていき…
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最終的には

春花を山に捨てたり…

 

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(しかし、なかなか卑猥なフォルムw)

 

これって、

“介護問題”に置き換えると

本当にせつなくなってくる。

 

どんどんと綺麗事ではすまされなくなっていく部分が。

 

川島のりかずは本当に素晴らしい漫画家だと思う。

 

ひとりぼっちになってしまった春花は

死を考えた
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春花の死は

家族も心の奥で思ってることだった

 

どんなに言葉や態度に出さなくても

心の奥で思っていることは

相手に“伝わってしまう”という。

 


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“あなた こんな姿になっても

まだ生きていたいの”

 

一人称が「私」ではなく

「あなた」になっているところが

春花も“醜くなった自分”を受け入れられず苦しんでるんだな。と伝わって来る。

 

本当に上手な表現だと思います。

 

 

そんな中で春花は

なぜか“占いの能力”が発達していく…
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誰かに自分を認められるという安心感。

 

邪魔がられてた自分が必要とされていることによって

春花は元気を取り戻していくんだけど…

 

家族が春花を認めてくれているのは

結局は
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金!

 

山に捨てて殺そうとしてたのに(笑)

「稼げる!」ってなったら

手の平ひっくり返してご機嫌取りww

 

自分だったら、逆に人間不信になりそうな…(笑)

 

本当に川島のりかずは

さりげなく“人間の汚い部分”を描くのが巧いですよね。

 

 

最後のハッピーバッドエンドという

斬新な展開もお見事!

 

一応!?ハッピーエンドなのに

読後のもやもや感w最高です(笑)

 

「人の目を気にしない」

これが《本当のしあわせ》なのかもしれませんね。

ガラスの中の醜い顔‥川島のりかず

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これ個人的にすごく好きな作品。

 

私のような辛い現実から逃げるために

アイドルの輝きに救いを求めるような

現実逃避タイプのヲタクさんは必読を願いたい。

 

こんな生活、一生つづくの?

 

そうよ 一生ね

 

あなたは

生ける屍


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出口はないのよ…

誰か来て、誰か…

 

川島のりかずの漫画は

「入り口はあっても出口はない中で救いを求める作品」

あまりにも多い。

 

作者である川島のりかずの心の叫びでもあるんだろうね。

 

 

才女である主人公の美ハルは

事故によって、一気に人生が転落していく。

 

そんな苦しい現実の生活の中で

「誰か来て、誰か…」と心の中で訴えてた美ハル。

 

その“誰か”が

美ハルの場合、ロボットだった。

 

 

最初は“ロボットなんて”と

今までの挫折知らずの名残で

小馬鹿にしていた美ハルだったけど…

 

しだいにロボットに依存していく


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人間の心は

ロボットのように一貫していない

美ハルはその部分に不安を感じ…

 

人間の恋人よりも

ロボットと一緒に居ることが多くなっていく美ハル

 

なぜなら?


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人間よりロボットの方が安心できる存在だから。

 

お金を払えば

やさしくしてくれるアイドル様と同じですねpq

 

お金を払って

粗相さえ起こさなければ

最低限は優しくしてくれる。というアイドルビジネスに

私たちドルヲタは知らず知らずに

“安心感”を覚えているのでしょうねpq

 

結果、現実よりも心地よくなって

現場優先の人生を送るという\(^o^)/泣

 

 

この漫画では

「ロボットが人間に逆わないようにプログラム」されていて。

 

美ハルはロボットを愛するあまり、

そのプログラムを外すように

裏ルートで修理をするんだけど…
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「時として意志を持ち

自由に行動すこともあるぜ」

 

ロボットに感情が芽生えてしまうかもしれないという。

 

つまり、

人間とほぼ変わらなくなってしまうという

(美ハルにとっては)危険性。

 

 

愛するロボットとの逃亡生活と修理代で

お金が底をつき始めた美ハルは…

 

修理に行く時は素通りしていたのに…
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ついには

見世物小屋で働きに出るという

才女からの転落ぶりpq


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しかし、文明が進んだ未来の世界でも

見世物小屋」は残っているという

川島のりかずの未来感の凄まじさよ…

 

 

美ハルも最初は
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涙を流しながら

見世物小屋で働いていたのに…

 


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すっかり慣れていくという

このREAL感よ…pq

 

 

美ハルが稼いでいる間に

ロボットは女のロボットに恋をして…
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ロボットに夜の相手のお仕事をさせる。というのりかずの発想w

 

 

しだいにロボットは感情を持つようになってしまって

 

結果…

 


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もうロボットではない

心を持ったんだわ

 

 


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救いを求めて、

現れたロボット。

 

皮肉にも

美ハルはそのロボットによって

自分の世界に閉じこもってしまった…。

 

→まったく救われていないww

 

本当に、アイドルヲタクと一緒ですねww


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最後の美ハル!美ハル!という

無駄な名前の連呼と「!」マーク使いの表現法は

後の「フランケンシュタインの男」に引き継がれていくんでしょうね。

 

 

あの時、友人がロボットを送らなければ…とも思うけど。

 

そうしたら、心のさみしさに耐えかねて

美ハルは自殺していたかもしれないし…。

 

発狂を選ぶか?

自殺を選ぶか?

 

道を踏み外した人間は

いつだってその二つしか選択肢はないんだなぁ。と

痛感させられた漫画です。

 


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現実から逃げるアイドルヲタクには

なかなかつらい御言葉だこと…ww

恐ろしい村で顔をとられた少女‥川島のりかず

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川島のりかずの描く女の子は

お嬢様ルックというか

品のある服装の美少女が多いですよね。

 

扉絵もなかなかのハイクオリティ↓


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なかなか衝撃的なプロローグから始まり…


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結構、雑w

 

 

主人公は行方不明になった姉を探すために

“谷中村”に行ったけど

 

そこは異次元の村で…


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「入り口はあっても

出口はないんだよ」

 

なかなかの名言だと思います。

 

人生の不幸な時期に入ると

この言葉は胸に沁み入りますね。

 

 

もうこのページから、
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「やばい漫画を買ってしまった…」

まさに入り口があっても出口がない

“川島のりかずの世界”へと

買ったものは引き込まれてしまうワケですが。


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アウトサイダーというパワーワードw


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やべぇよ、この漫画ww

 

 

このお話は

「洗脳」がテーマなんだろうね。

 

「洗脳」という言葉のヤバさで

「洗脳=ヤバい」と思って、

条件反射的に普段の生活では考えないようにしているけど。

 

そもそも

Q「洗脳ってなんのためにあるのか?」


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A:秩序を守るため

 

「秩序は平和!平和は秩序!」と復唱させて

洗脳させているように。

 

すべては“平和”のために

我らも日常的に

“常識という洗脳”を受けているんだけども。

 

だからこそ、

その秩序を乱す“アウトサイダー”が現れたら…

 

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一気に爆発する。

 

この世界でも

ルールを守らない者や

新しい価値観を否定してしまう人が多いのは

 

知らず知らずに

「常識という洗脳」を受けてるからなんだろうなー。と

ちょっと考えさせられたり…。

 

 

そして、のりかず漫画らしい

唐突に現れる「雑な流れ」w
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この雑な流れ大好きwww


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顔の縫い方も雑過ぎやしないかい?

 

 

最後の「仮面」は

きっと「表情」の比喩で。

 

のりかずは

洗脳によって知らず知らず

自分の感情を抑えて

仮面を被ったような表情をしてしまう

私たち人間の習性。

 

そこに気づかずに

自分の感情を押し殺して、

それが蓄積して明日の発狂へつながる危険性

この漫画で警告したかったのかなぁ…。

 

 

なによりこの漫画のヤバさは。

 

なぜそんな「異次元の村」が存在するのか?

が、まったく描かれてないのが怖い。

 

同じ顔にすれば、

人数が増えても咎められない。

 

現実世界に居た人間を

出口のない異次元世界に呼び寄せて、

洗脳させる意味は?

 

誰が何のために?

 

そもそも

なぜ主人公の姉は“谷中村”に行ったのか?


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行方不明者が多数出ているのに、

主人公の姉のように

そこに行こうとする人。

 

そして、

行方不明者が出てるのに

平気で道案内する村人…。

 

ものすごい闇を感じる。

 

 

同時収録の発狂短編の「幻の蝶」も

ものすごい発狂クオリティw


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そこに一生閉じこもっているつもりかい!


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へへへ

それがどうしていけないんだよ

 

ぼくは

蝶といるときが一番楽しいんだ

 

現代のひきもり問題の予兆を感じとれる…

川島のりかずの先見の明に感服する作品です。