萬☆画久子

あらすじなしの感想文

化物家族‥川島のりかず

 

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死ぬのは

いつでもできるわ


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いいか

いずれはこの姿が世間に知れる

 

そうなった時、

世間が私たちの姿を見て

何をすると思う…?

 

…川島のりかずは

なにか世間に対して後ろめたいことを抱えていたのだろうか?

 

後期の彼の作品は

自分と世間との葛藤で発狂パターンが多すぎる…pq

 

 

彼の作品に共通する特徴的な表現パターン↓
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街並み→複数の住宅→一軒家→主人公。という見せ方をする。

 

「あなたの隣の発狂」というか。

あなたのすぐ近くの“家の中”で発狂が起きるんですよ的な。

 

川島のりかずは

よその家を見ながら

“みんな、どういう生活をしてるんだろ…”と

考えるような人だったんだろうな。。

 

 

朝から
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なかなかヘビーな会話ww

 

 

主人公の春花は

どんどん化物化していき、、

 

初期症状(まだ人間の形がしている)ときは

家族も“同情”してくれてるんだけど…


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しだいに

心の余裕がなくなっていき…
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最終的には

春花を山に捨てたり…

 

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(しかし、なかなか卑猥なフォルムw)

 

これって、

“介護問題”に置き換えると

本当にせつなくなってくる。

 

どんどんと綺麗事ではすまされなくなっていく部分が。

 

川島のりかずは本当に素晴らしい漫画家だと思う。

 

ひとりぼっちになってしまった春花は

死を考えた
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春花の死は

家族も心の奥で思ってることだった

 

どんなに言葉や態度に出さなくても

心の奥で思っていることは

相手に“伝わってしまう”という。

 


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“あなた こんな姿になっても

まだ生きていたいの”

 

一人称が「私」ではなく

「あなた」になっているところが

春花も“醜くなった自分”を受け入れられず苦しんでるんだな。と伝わって来る。

 

本当に上手な表現だと思います。

 

 

そんな中で春花は

なぜか“占いの能力”が発達していく…
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誰かに自分を認められるという安心感。

 

邪魔がられてた自分が必要とされていることによって

春花は元気を取り戻していくんだけど…

 

家族が春花を認めてくれているのは

結局は
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金!

 

山に捨てて殺そうとしてたのに(笑)

「稼げる!」ってなったら

手の平ひっくり返してご機嫌取りww

 

自分だったら、逆に人間不信になりそうな…(笑)

 

本当に川島のりかずは

さりげなく“人間の汚い部分”を描くのが巧いですよね。

 

 

最後のハッピーバッドエンドという

斬新な展開もお見事!

 

一応!?ハッピーエンドなのに

読後のもやもや感w最高です(笑)

 

「人の目を気にしない」

これが《本当のしあわせ》なのかもしれませんね。